No Offense

これから、いわゆる「フェミっぽい発言」をするので、そういった話題が嫌いな方は、ここで読むのを終了していただきたい。どこの国にも、クズみたいな男はいるんだよなという話。

 

 

あるSNS系のサービスで、深刻なDVの被害に遭った米国人女性の話題が取りあげられていた。同棲している男性から、何年にもわたって罵倒と暴力を受け続けてきた被害者は、顔も全身も傷だらけだった。そして彼女は、骨折するほど痛めつけられてきたにも関わらず、「彼の期待に応えられない自分が悪いのだ、殴られるのは罰なのだ、これは人に話すべきことではない、バレたら余計にお仕置きされる」と考え、誰にも相談せず、また病院にも行かなかった。

そんな記事のコメント欄に、「こういう悪い男に限ってモテて、オレがモテないのは納得いかない」とか、「世の中の女性には見る目がなさすぎるよな」とか記している男性たちがいて、私は心底ウンザリしてしまったのだった。おそらく彼らには悪気がない。ちょっとした自虐ネタのつもりで書いたやつもいるのだろう。だからこそ、本当に救いようがないと思う。

誰にも会うことがないまま、同じ相手から何年も罵倒されつづけ、人間としての尊厳を奪われ、暴力を受け続けて、傷だらけになった被害者の写真を見たとき、その恐怖の日々を少しも想像することなく、彼女の痛みに思いを馳せるでもなく、今後の彼女が回復できるのかどうかを考えるでもなく、真っ先に抱くのが「なぜ、自分はモテないのだろう。この女は、最初から自分のところに回ってくるのが妥当だったのではないか」という不満であるのだとしたら、そいつはたぶん、被害者のことを同じ人間だと見なしてない。いい年をした大人が、そのニュースに対して、「おかしいなあ、自分のちんこは、もっと良い目に遭っていいはずなのに。ちぇっ」という感想を抱くのであれば、そいつは私から見て完全にサイコだ。

「自分はもっとご褒美を貰えるはずの人間だ。世の中の女たちは、このような悪い男ではなく、自分に与えられるべきではないのか」と本気で駄々をこね、素直にそれを吐露しているのであれば、「相手をモノ扱い/家畜扱いしている」という点において、そいつと加害者は何も変わらないだろう。目くそ鼻くそだ。いや、むしろ私は、こんなコメントを悪気もなく書き込める屑みたいなやつと交際するぐらいなら、暴力で完全に押さえつけられて、まともにモノを考えられなくなるほうがマシだ。