せーので

おかげさまで、スケールが大きめの仕事をいくつか同時に進行させていただいている。こういったお仕事を請けるのは今年いっぱいで終わりにしようと決めていたので、ついつい年内は欲張って受注してしまった。いまは軽めの地獄を味わっている。

どのような報告書や意見書を作成していても、ナチュラルに導き出されるオチはいつも同じなのだ。しかし、そのオチはおくびにも出さないまま、決してあきらめないという態度で挑んでいる。少なくとも執筆している間は、「少しでも現状を打破しようじゃありませんか、せめて御社だけでも/あなたの組織だけでもマシであるために頑張ろうじゃありませんか、人類の英知というのはこういうときのためにあるのです、現時点でのベストプラクティスについて真剣に考え、ひとつひとつの問題に取り組んでいこうじゃありませんか」と本気で思っている。その心構えに嘘はない。本当だ。たとえ自分を騙してでも、心からそのように思わなければ何も書けないからだ。

しかし「ほらご覧なさい。結局のところ人類にインターネットは早すぎたのです。この馬鹿な生き物は、安全に使いこなす能力も持たないまま、分不相応なツールを開発してしまったのです、それを使わなければ生きられないようになってしまったのです。本来、これはもっと高度な生き物のために存在すべきツールだったのです。もうあきらめましょう。もう面倒くさいから、みんなで仲良くせーので死にましょう」というささやきが、常に脳をチラついている。とても邪魔だ。