それは嬉しい

本日の業務(もう完全に明朝だけど)。翻訳 1 本、無記名の連載記事のテーマ 2 本分提案、メルマガ用の原稿準備。以上。

*

「政治、経済、軍事、その他の様々なものと密接に繋がっており、すべての人々が確実に影響を受ける話題であるにも関わらず、多くの人にとっては少しも面白そうに感じられない」という点が、サイバーセキュリティのニュースにおける最大の問題なのではないかと私は思っている。

日本語圏でも英語圏でも、サイバーセキュリティに詳しい人々は、どんどん「セキュリティ業界の人だけが面白がるようなセキュリティ話に明け暮れる人」となってしまい、興味のない層を置き去りにする傾向があるように見える。そして、まったく無関心な人は、この先も無関心を貫こうとしているように見える。私は、この2グループのギャップを少しでも埋めるような仕事をしたい、などと身の程知らずなことを考えている。

たとえば Ashley Madison のような話題の記事を書いていると、「もっと人類にとって重大なセキュリティの事件が起きているのではないですかね、江添さんよ」と思うことがある。人々の野次馬的な欲求を刺激して、意地汚くアクセスを稼ごうとしているのではないかという気分にもなる。それでも、まずはとっかかりとして、誰にでも読んでもらえるようなセキュリティの話を書けるかどうかが大事なのだと思うようにしている。だから、「セキュリティの話に興味があるわけじゃないけど、なんとなくあんたの記事は好きだから読んでるよ」と言って貰えるのが何よりも嬉しい。

正直なところ、サイバーセキュリティ業界の先輩や、ネットの有名人に褒めていただけたら、そりゃあいい気分になる。その点は否定しない。うっかり舞い上がって失敗しそうにもなることもあるほど嬉しい。それでもやはり、セキュリティなんか興味ねえし面倒くせえやと思っているような方から、「おう、こないだの不倫サイトのあれ、なんか面白かったぞ」と気軽に褒めていただけるほうが、もっと励みになる。私はプロの料理研究家や食通の皆さんから一目置かれる高級洋菓子店のデザートのような記事ではなくて、商店街にある洋食屋の日替わりAセット(680円、カップスープつき、ライス大盛り無料)みたいな記事を書きたいのだ。そして、たまたま昼休みに入店しただけの普通のお客さんから、「チキンカツってあんまり好きじゃないんだけど、ここのチキンカツはけっこう美味しかった」とか言われるような感じの仕事をしたい。

*

【本日、アップロードされたお仕事】 翻訳 2 本