ラスベガスで紛失した雲台のクイックシューを買いに行ったのだけれど、在庫がなかった。そいつは困ったなあと思ったところで、「ちょっと待て。必需品だと思い込んでいたけれど、やたらと動きまわるものを撮影するのに、本当に三脚が必要なのだろうか」という根本的な疑問が持ち上がった。爬虫類や昆虫や水鳥ならまだしも、小鳥撮影のときの三脚って、実際には想像してたほど使えないんだよな。結局、三脚を開くヒマなんてないことのほうが多いじゃないか。いや、しかし、たまには相手が止まってくれるという状況もある。そのとき、こっちが山歩きの最中で息切れしててグラグラでは辛い。完全に手持ちだけというのは無理だ。じゃあ、もしかして、いまこそ決断するべき時なのではないか。
というわけで、高校生の頃から買おう、買おうと思いながらも踏ん切りがつかなかった一脚を、ついに購入した。一脚なんて 3 千円程度で買えるのだけれど。なんとなく「重い三脚と軽い三脚の両方を持っていて、なおかつフットワークを軽くしたいときのためのツールまで買えちゃうような、余裕ある大人の贅沢品」っぽい気がして手が出せなかったのだ。これで大人の仲間入りだ。もう完全に中年だけど、こうやって一つずつ、子供には簡単に買えないようなものを手に入れていくのだ。よし、次はなんだろう。ドライヤーかな。アイロンかな。まだいらないな、どっちも。