WordPress に関する話

「なんかアフィリエイト臭くてさー」
「大人の小銭稼ぎサービスに見えてさー」
「要するに見栄えのいいFC2ブログって感じがするんだよねー」
「10年前の六本木にゴロゴロしてた、ホストみてぇなIT系軍団の残党が使ってるツールっぽくてさー」

そんな勝手なイメージだけを理由に、これまでWordPressのことは敬遠していたのだけれど、実際ダウンロードして使ってみたら純粋に面白かった。そうか。みんなこんなに楽しいことをしていたのか。ちょっと悔しい。

設定も非常に楽だった。MySQLの追加さえ成功してしまえば、あとはほとんど悩むことがなかった。ただ一箇所だけ、子テーマの設定に嵌まった。WordPressについて解説しているサイトの多くが、いまでも「子テーマのstyle.cssに@importを使って親テーマを読み込む方法」を丁寧に説明しているので、そのガイダンスに従ってしまったのだ。現バージョンのWordPressが@importを使った方法を許可していないということに気づくまで、けっこう無駄な時間を費やした。

私が子テーマを作る前に読んだのは、Googleのキーワード検索結果の上位に表示された、いくつかの解説サイトだった。「そのような人気サイトが、古くて使えない情報を、そのまま掲載しているわけがないだろう」と思い込んでしまったのだ。甘かった。考えてみれば、検索で上位に表示されるWordPress関連のサイトがSEO対策に長けているのは当たり前のことじゃないか。

そうだった。いまは21世紀だ。「プログラミングのことは何も分からないけど、私のホームページに掲示板を設置したいなあ」と願う初心者たちが、検索サイトを使って、あっさりと「KENT-WEB」「とほほのWWW入門」「我楽多 cgi @nifty」あたりの素晴らしいサイトに出会うことができた時代ではない。

何らかの情報が欲しいとき、その検索結果の上位に表示されるのは、もちろん良質で信頼性の高い人気サイトである可能性は高いのだけれど、「実力以上のアクセスを求めてSEO対策に注力するあまり、内容が追いついていないアフィリエイト目的のサイト」となる可能性も高いのだ。WordPressの仕様変更に気づかなかったことより、むしろ、そっちに気づかなかったことのほうが悔しい。

それはそれとして、こちらはそろそろ検索避けのタグを外すことにした。矛盾しているだろうか。