日常

クリスマスイブで日曜日だけど仕事をしている。明日はバンクーバーに帰る。このあとコンビニのアメリカンドッグを食べる。人生とは何だろうとか、ほんの少しだけ考える。

ここ最近で、ゼロワンさんに掲載された記事の紹介と、簡単な補足をさせていただきたい。

ダークウェブで自動車爆弾を購入した英国青年は、いかにして特定されたか

ダークウェブの利用者の逮捕に関しては過去に何度も書いてきたけれど、今回は「自分の住所を登録して車爆弾を買った若者が逮捕された」という珍しいケース。
あえて捜査の手法について考察する内容にした。「犯人の馬鹿っぷり」については論わないことにした。ダークウェブの匿名性を信じている人だけがダークウェブで犯罪を起こすのだと考えるなら、それは特別に珍しくないと思われたからだった。とはいえ、ダークウェブで薬物を売買する人でも、別の送り先(ホテルなど)を指定するのが普通ではなかろうか。わざわざテロが警戒されている中で「爆弾の送り先」に自宅の住所を入力してしまうというのは、いくらなんでもピュアすぎるのではないか、なんのためのビットコインだ、とも思う。いまやビットコインは「そういう通貨」ではないのかもしれないけれど。

日本も狙われる「企業を狙った振り込め詐欺」

知人のAさんから「タイムリーだ、素早い執筆だ」と言っていただいたので心苦しい。本当のことを言うと、これは今年の夏に「諸事情でお蔵入りになった記事」の改訂版だ。つい先日、あの企業があんなことになったので、あわてて掲載を再考していただけることになった。すぐに掲載しなければならなかったため、ほとんど手を加えることができなかったのだけれど、もうちょっとだけ余裕があったら、もっと新しいデータを探して書き直したかった。
あの事件が「BEC詐欺」と呼べるものなのかどうか断言はできないと思う。ただBECの手口、およびBECに近い手口に関する知識が、日本で浸透しないのは非常にまずいのではないかと、ずっと前から思っている。

追放された「カスペルスキー」が米国土安全保障省を訴える

ここには書かなかったことがある。「一般メディアが『ロシア怖い』『ロシア怖い』と騒いでいる一方、多くのIT系セキュリティ系メディアやセキュリティ関係者たちは、カスペルスキーの受けた仕打ちに同情している傾向があるように見える」という点だ。正直に言ってしまうと、私も今回の米国の決定を疑問視している。でも、そこにはバイアスがかかっているかもしれない。IT系、セキュリティ系のメディアや関係者もそうだろうと思う。カスペルスキーは偉大な研究者たちを抱えた一流企業で、時にスポンサーでもあり、また場合によっては知人友人でもあるのだよなという点を考えると、まったく偏らずにいるのは難しいだろう。というわけなので、この点については何も言わないまま、「この会社がロシアに情報を渡したっていう技術的な証拠は何も出てないよね」という事実だけを記させていただくことにした。
書いているうちにどんどん楽しくなってきて、予定の3倍近くの分量になってしまった。こんなに長いのに、そのまま掲載していただいた。ありがたいことだ。原稿料に変化はないので、時給×百円ぐらいの仕事になってしまったけれど、「ここから1/3まで記事を削る時間、および悔しさ」と考えれば非常にありがたいことだ。

今月、一般公開されている記名の記事は以上です。よろしかったら読んでやってください。