「の」が邪魔なんだ。

本日の業務。翻訳1.5本。コラム2本の修正。以上。

*

翻訳の際に「ああああー」と叫びながら頭を掻きむしりたくなる言葉がある。banking trojan だ。通常、「バンキングトロイの木馬」あるいは「バンキング系トロイの木馬」などと訳される。なんとなく、しっくりこない。さらに、この言葉を文章の中に記すと、たいへん読みづらくなる。たとえばこんな感じだ。

ロシア語を話すウイルス製作者たちが、忍びやかに活動する性質のバンキングトロイの木馬を作り出した。

いきなり読みづらい。自分で書いた文章なのに読む気がしない。「バンキングトロイの木馬」という単語を、よほど聞き慣れている人でもなければ、どこで区切れるのかも分からない。「バンキングトロイ」という言葉があるのかと誤解されてしまう可能性もある。

本来であれば、「バンキング系のトロイの木馬」と書いたほうが親切だ。しかし、それを一度やってしまうと、だいたい後悔することになる。その記事の翻訳を進めていくうちに、「このバンキング系のトロイの木馬の性質のひとつとして」などと書く羽目に陥るかもしれないのだ。それはもう、「私の頭の中の消しゴム」どころの騒ぎではない。誰か、「トロイの木馬」に代わるシンプルな単語を定着させてくれないだろうか。

*

お知らせ。本日の ScanNetSecurity に掲載されたクリス・ハドナジー氏のインタビュー記事は、私が「聞き手」となっていて、さらに写真まで掲載されていたりしますが、実際にはほとんど何も仕事をしてません。ただヘラヘラと話を聞いていた(たまに変なことを尋ねて邪魔をしていた)だけです。この記事をきちんとした文章で綴っているのは私ではなく、一緒にいた編集者さんです。なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいです。ついでに言うと現在、Scanさんから依頼されている原稿の〆切をひとつ豪快に破ってます。ごめんなさい。愛してます。捨てないで。

*

【本日、アップロードされたお仕事】 翻訳1本