プチ講座

本日の業務。翻訳1本、原稿セット。以上。

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昨日は翻訳の作業中に、いくら調べても理解できない言い回しが出てきてしまったので、コーヒーショップで暇そうな人を探して教えてもらった。このように、見ず知らずの人を頼ることは月に数回あるのだけれど、尋ねる相手を間違えると大変なことになる。意地悪をされたりすることはない。だいたい誰でも親切に教えてくれる。ただ、「コーヒーショップで暇そうにしているカナダ人」というのは、本当にびっくりするぐらい時間を持てあましているうえ、お喋りが大好きで、なおかつ親切すぎる傾向が強いから、わりと危険な賭けになるのだ。

「ああ、これは意味ない。なんとなくオチがない終わり方の記事でしょ。最後に語呂がいいから、前に言ったことを強調するつもりで書いてるだけだよ。ただ言ってるだけ。なんにも意味ない。前の文章を少し強めればOK」
「はあ、そうなんですか。助かりました。ありがとうございます」
「ああ、いま僕、 『Just Saying』って言っちゃったけど、これあんまり好かれる表現じゃないから気をつけたほうがいい」
「なんでですか?」
「なんとなくイラっとする感じの言い回しだから。特に、あまり表現力のない人が頻繁に使うとバカっぽく見える」
「なるほど。なにかを説明するときに『like』を多用するような感じですか」
「そうだねえ。でも微妙に違うかもしれない。たとえば like がガキっぽいとするなら……」

このあと結局、貴重な作業の時間を2時間ほど奪われてしまった。「意味がないから訳さなくていいよ」という答えを得るために2時間。英語圏に住んでいるからといって、決して翻訳の効率が上がるということはない。たぶんレアジョブとかで訊いたほうが早い。

これはこれで勉強になっているのだと思うことにしている。あくびを堪えるのは大変だけど。