hackneyed

もういいよ、と言われるかもしれないけれど、SMAP に関して、ひとつ強烈に思い知らされたことがある。もう、いろんな人がさんざん言い尽くしたことだろう。それでも書いておきたい。

「ずっと応援してます、期待しています、あなたが私を幸せにします、これからも頑張ってください、いつまでも活動を続けてね、またあなたの笑顔を見たいです、いつも味方だよ、大好き」と無邪気に言えるポジティブな人々の恐ろしさというのは、なんとも形容しがたい。それは分かっていたことだ。「好きなの愛してるの頑張ってね」と一方的に言い続けることができる人々は、好意の押しつけが生み出す重圧を理解していない。だから近寄らないほうがいい。そのことは分かっていたはずなのだけれど。

今回の件に関して言えば、それは友人や家族に対する愛情の押しつけではなく、「普通の小中学生として生きる機会がないまま、常に『ファンの皆さんのために』生きなければならなかった子供たち」に対して20年以上、無遠慮に続けられてきたものだ。ちょっと話が違う。

「私のように何の問題意識も持たない一般人、つまり、『おそらく普通ではない、理不尽で抑圧的で非人道的な存在がある』ということにボンヤリと気づきつつ、特に断罪することもないまま放置してきた消費者たちの無神経さが、最終的には大きな力となって彼らを追い詰め、彼らの人生を奪ったのかもしれない」という、特にファンでなかった人間ですら抱いてしまうようなジワジワとした罪悪感が、この人たちには最初から備わっていないのではないか。そう思わされてしまう。怖い。ただ怖い。