ソウル近辺で生肉を食べ漁ったあと、池袋の新文芸坐で「ヒルコ 妖怪ハンター」を見る。やはり沢田研二の顔は強い。あまりに強すぎる。圧倒される。ここまで強い顔の生き物と同じ時代を生きられた以上、ちゃんとスクリーンで見られる機会に見ておかなければならないなと思った。
このあとは打ち合わせして中野近辺で飲む。深夜は行けたら新宿に行こうと思う。さすがに着替えがほしい。もともとズボン一本とセーター一枚と上着一枚という格好で、あとは下着だけ詰めて韓国へ行って、そのあと本拠地に戻っていない。つまり4日間も同じ服を着ている。たぶん韓国で服ぐらい買うことになるのだろうと思ってたけど、肉を食べるのに忙しすぎたので、洋服など見る時間はどこにもなかった。できれば打ち合わせの前にユニクロかGUに行こう。
ソウルで1ヵ月を過ごしたのは5年前だと思ってた。ちゃんと引き算したら6年と8ヵ月前だった。それだけ時間が経っているのに、あいかわらず活気が凄い。今回、ソウルに滞在できる時間は僅かだったので、渋滞を避けるために一度もタクシーには乗らず、朝から夜まで地下鉄に乗っては適当なところで降りて歩き回った。どこもかしこも元気だった。
2泊目は「眠らない街」東大門の近くにホテルを取ったけど、たとえ眠らない街へ行っても自分自身は寝てしまうのだなという当たり前のことに気づいた。もう、夜の来ない街を素直に楽しめる年齢ではないのだ。それでも一応は東大門っぽいことをしておこうと思ったので、夜明け前(午前3時50分)にホテルを出て10分ほど地下道を歩き、ちょっとだけ外に出て、24時間営業の飲食店のソルロンタンを食べた。美味しかった。さすがに寒かったので鼻水がどばどば出た。そのあとホテルに戻ったらすぐに寝てしまった。これは、ただ深夜に起き出して夜食を食べて寝なおしただけだなと思った。
ちょっと驚いたのは、前回と比べると格段に日本語が通じなくなっていたことだ。私が行った場所で通じる外国語は、せいぜい中国語か英語だけだった。明洞の街からもカタカナが減ったなと感じる。単に「儲かる言語へ傾いていった」というだけの話なのだろう。ブランドの紙袋の山から足が生えてるような状態で、いきいきと楽しげに中国語を話している美人なお嬢さんたちを見て、そう思った。(観光客の爆買いを批判する気は毛頭ないです)