闇が深すぎる

本日の業務。翻訳 1 本。打ち合わせ。以上。

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百度に関しては、もう 2 年ぐらい前から様々な問題を取り上げてきたけれど、いまでも同じブランドのままサービスが存続されていて、「また百度か、やれやれ」で終わってしまっているという点が、どうも現実の話っぽく感じられなくて怖い。今回の件も過去の話題と同様に忘れられていくのだろう。今後、このテーマで仕事が来ないことを願っている。あまりにも問題の根が深すぎて、私ごときの手に負える題材ではないような気がするし、単に「中国の一企業がやらかしている無茶苦茶な行動」として騒ぎ立てるだけで、中国政府とインターネットの問題そのものに触れられないのは、どうもよろしくない傾向であるように感じるからだ。それなら NSA のネタだって同じじゃないか、と言われたら、何も言い返せない。

NSA の話も「そんなこと現実的にできるわけないじゃん、陰謀論者でも考えつかないような無茶な話だよ」という数々の大規模な盗聴行為が、結局は事実だったことが判明したけれど、あんまり大雑把に何度も騒ぎすぎたせいで(そしてスノーデンの暴露文書の数が単純に多すぎたせいで)、聞かされる側の感覚がどんどん麻痺して、いつの間にか「まあ、米国のシギント機関はそれぐらいできなきゃ、国民の安全性を守れないでしょ。あんたテロとか怖くないの?」という話にすり替えられた気がする。だとしたら、それは怖いことだと私は感じる。

そういえば今日、共和党のディベートで、ドナルド・トランプが TPPについて意見を述べる際、「あれは米国以外に有利な取引だ、とりわけ中国だ、中国が米国にとって一番の Abuser だ云々」と非常に分かりやすい言葉で怒鳴り立てたあと、「あのさあ、中国は TPP の加盟国じゃないよね」と指摘される一幕があった。その報道に対して、トランプ支持層の方々は「短絡的に伝えるな。結果として、回りまわって TPP の利益を得られるのは中国だ、とにかく米国にとって最大の脅威は中国なのだからトランプは正しい」という反論を、さまざまな SNS に綴っている。その意見が正しいのかどうかは知らんけど。おばさんは、とりあえず「TPPについて」話しているとき、あの回答をするぐらいの知能を持った人間が、世界で最も力を持った国のリーダーの候補になるのは怖いと思うぞ。あと、「トランプに指摘:中国は加盟国ではない」の見出しが面白すぎるせいで、ちゃんとした議論ができなくなるとしたら、あまり笑えない話だと思う。本気で。

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【本日、アップロードされたお仕事】 翻訳 1 本。