今日の授業は、(主に特異的な)言語発達遅滞のパターンに関する講義だった。その導入部分にて。
インストラクター「まずは、人間を含めた動物の発する音声と、コミュニケーションの原点について考えてみましょう……赤ちゃんが泣くのはなぜでしょう。Nくん?」
クラスメイトのN「学生ローンを払いたくないからです」
インストラクター「はははは。まだ赤ちゃんは、それについて考えなくていいのですから幸せですよね。さあ、赤ちゃんが泣くのはなぜですか?」
クラスメイトのN「学生ローンについて、はじめて考えてしまったからです」
インストラクター「それはもう分かりました。生まれたてで、まだ社会に出ていない赤ちゃんは、なぜ泣きますか?」
クラスメイトのN「これから大きくなって、寝る間も惜しんで勉強して、ようやく卒業して仕事を得られたとしても、それからしばらくは学生ローンを払い続けなければならないということを知っているからです」
インストラクター「どうやら尋ねる相手を間違えました。Tさん、どうして赤ちゃんは泣くのですか?」
クラスメイトのT「たぶん学生ローンのせいです」
このクラスにいる学生たちはみんな、だいたい木曜日ぐらいから少しずつ壊れ始める。