甘える中年

プログラマさんに尋ねてみたい。を読んでくださった中道さん(鉤屋時代「レッツ・アリンカー」の連載をお願いしていた先生でもある)が、あっさりと私のためのツールを作ってくださった。こちらのツールは、私とも元町さんとも異なった発想で作られている。まず、これまでどおりに翻訳原稿(テキスト0)を加工して、本文にAタグを入れた原稿(テキスト1)だけ作る。それをツールにぶちこんで送信すれば、リンク先のタイトルを拾ってきて、タイトルとURLを文字列にして別の行に示し、タグを消したた原稿(テキスト2)を吐きだしてくれるというプログラム。これだと手作業が半分に減る。私はClibor(*)の定型文に頻出のHTLMタグを登録しているので、単にテキスト1を作るだけなら、さほど苦痛ではないのだ。

なるほどなあ。もしかして、「こういうことができると便利だな」というボンヤリした願望を、どうやって実現すればいいのか考える能力というのは、生まれたときから決まってるんじゃないのかという気分になってきた。もしも二度目の人生があったら、次は「少しだけウクレレが弾ける無学な移民」ではなくて、「趣味でギターを弾くプログラマ」になろうと思っていたのだけれど、たぶん次も無理だ。

私は、「テキスト0に対して、『どこにリンクを埋めるのか』『URLはどこなのか』『タイトルは何なのか』という追加情報を後付けで追加するためのプログラム、および、その情報を元にテキスト1とテキスト2を別の形で吐き出すプログラム」が必要になると思った。でも元町さんは、「テキスト0に対し、利用者が決まったフォーマットで必要な情報を入れたデータを作ること」で、2つの作業を行うプログラムがシンプルになる手法を示してくださった。そして中道さんは、テキスト1さえ作ればテキスト2が作られるという「片方だけ自動化」のプログラムを一瞬で書いてくださった。お二人から示されたものを見ると、最初に私が考えたものは、元を取るのにどれだけ時間がかかるんだというぐらい、ツールそのものの構築が面倒くさい。目標が「時間短縮」と「作業簡略化」であるのだから、計画自体が本末転倒だったということがよく分かる。

そして今日も、頭のいい方々に甘えてしまっている私だ。中道さん、ありがとうございます。今日から使います。

* Clibor……これがないと、おそらく私の作業効率は3割以上ダウンする。去年までの私はペースターユーザーだったのだけれど、現在は無料のCliborに落ち着いている。ペースターのほうが高機能なのは間違いない。しかし私の環境では、どうも処理の割り込みのタイミングに問題が発生するようで、「ペースター上のカーソル移動処理」と「エディタ上でのカーソル移動処理」の衝突が頻繁に発生していた(それでも使わないと仕事にならないぐらい頼っていた、というのもすごい)。今年、緊急にHDDをフォーマットしなければならなくなった際、手元のパスワードメモにペースターのパスワードがなかったので、一時的に使うつもりで無料のCliborをインストールしたら、びっくりするほど安定していた。ペースターのいくつかの素晴らしい機能は使えなくなってしまったけれど、もうCliborを手放すことはできそうにない。