「はい、この明るく開けた場所が××の撮影ポイントですよ」(周囲に障害物がなく、シャッタースピードも稼ぎ放題)というのが事前に分かりきっているガラパゴスと違って、背の高い樹木に覆われたサラピキの暗い森は、安いカメラしか持たない人間には太刀打ちできないほど撮影条件が厳しい場所だった。
見上げる鳥は逆光ばかりで、すぐ葉っぱに隠れてしまう。ようやく出てきても枝だらけでピントが合わない。ちょっと油断するとレンズが曇る。
もうひとつ正直に言えば、サラピキは鳥よりも昆虫や爬虫類や両生類のほうがずっと面白い場所じゃないのか、とも思った(オオハシやオウムのことは脇に置くとして)。どうせ予算不足で一眼の超望遠を選択できないのなら、最初から望遠は完全にあきらめて双眼鏡を選び、「テレマクロ以外に芸のない、安めの軽量コンデジ」を持っていくのが正解だったような気もする。
それでもなんとか撮った写真から、とりあえず 2 枚だけ。
目に入った瞬間「おいおい」と呟いたぐらいに巨大だった Crested Guan。こちらの常識から考えると、細枝に乗っかってるのがアンバランス。
ガラパゴスのイグアナ様が「悟ってる顔」であるのと比較すると、こちらのイグアナは「真理を見極めようとしている顔」に見える。