野生のヤドクガエルに会ってみたかった。

「コスタリカまで来たからには、ヤドクガエルを見たい」という強い気持ちがあった。「でも本当に見てしまったら悲しくなるだろう」という気持ちもあった。

なぜかというと、今回はマクロ撮影に強いカメラを一つも持って行けなかったからだ。せっかく会えたのに、まともな写真が一枚も撮れなかったら悔しい思いをするだろう。しかし私はカエルに全く詳しくないうえ、相手はあまりにも小さすぎるから、きっと会えない。「本当にヤドクガエルに会ったらどうしよう」なんてことは考える必要もないだろう、と思ってたら

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あっさり初日に会えてしまった。(※画質がザラザラなのは、かなり大胆にトリミングしているからです)

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どこからどう見ても、ヤドクガエル様だ。ものすごく小さいけれど(体長2センチぐらい)、色が派手だから、注意深く歩いていれば初心者でも見つけられる。なんてことだ。このカメラのテレ端の最短距離は 1 メートルもあるぞ。ぼやぼやじゃないか。もっと寄りたい。寄りたいのに。どうにかならないのか。そう、どうにもならない。

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それでも 2日目以降は、「マクロに弱いカメラで、ヤドクガエル様を撮影するコツ」を少しだけ掴んだ。何度も現れてくださったからだ。それにしても美しい。可憐だ。しかも鳴いてくださる。

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きちんとカエルを観察していたプロの生物学者、丸山先生と金尾先生は、同じエリアで数種のヤドクガエルを発見なさっていた。しかし私は結局、この「blue jeans」と呼ばれるタイプのイチゴヤドクガエル(ここでは最も一般的)に会うことしか叶わなかった。とはいえ私には充分すぎるほど贅沢な話。

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背中の赤味の強さと、青い模様の入り方には、わりと個体差があることも分かった。それにしても Blue jeans という表現は非常に良いと思う。みなさん本当に履いている。