Villain

昨日は古いお付き合いの方々と新宿のテルマー湯に行ってきた。岩盤浴が充実していた。バラ風呂(ぼんやり想像していた以上の破壊力がある)にも入ってきた。とても気持ち良かった。でも優待券がなければ気軽にはいけないお値段だ。あと、なにやらお肌がつるつるになったのだけれど、この年にもなると「うわー、つるつるだ」と思った次の瞬間、「で?」ってなる。うん。お肌がつるつるになった。それで。それで何が?

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まだテレビが相撲取りの話をしている。決定的な事実が伝えられてから、順序だてて分かりやすく説明すれば15分で終わりそうな話に何十時間も割いてる。「話が二転三転」って、あなたたちが勝手に細かく報じているからじゃないのか。いや、こうやって、「憶測はもういいよー」とか言いながら見ちゃうやつがいるから流すんだよな。それは分かってるんだ。

わざわざ意図的に低俗なことをしているワイドショーを見て「低俗だ」と非難するのは間違ってると思う。それは、わざわざ中本に入って「このラーメンは辛すぎる、作ってるやつはバカじゃないのか」と悪態をつくのと同じだと思う。それでも、とにかく「いいやつ」「わるいやつ」を決めたがる安直さについては、ちょっとどうなんだろうなあと感じてしまう。でもたぶん、みんなで誰かの悪口を言いたいのだ。そういうレジャーなのだろう。

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きのう乗ったタクシーの運転手さんがとても感じのいい人だった。私より少し年上の同世代だったので、いま桑田真澄の息子さんがどうなってるとか、志茂田景樹の息子さんがどうなってるとか、決して意地悪ではない表現で親切に教えてくださったのだった。

タクシーを降りたあと、すぐに桑田真澄先生の息子さんの画像を検索した。ぼんやりと悲しいような、決してそうでもないような、かえって嬉しいような、不思議な気持ちになった。うん。いいと思う。極端なぐらい真剣に、周囲の評価にも耳を貸さずに、自分の好きなように生きる若者というのは素晴らしいと思う。お父さんと顔は似てないけど、きっと彼は彼の桑田ロードを走っているのだろう。将来的に何らかの失敗をしてしまいそうな感じもするけど、そのときワイドショーから虐められるようであれば、私は勝手に応援したいと思う。