慎ましさ

私のような慎ましいライターが、昨日は大好きなクリスハドナジーとお話をさせていただいて、今日は「世界一かっこいいと思うジャーナリスト」のブライアンクレブスと握手をしてもらえたので、もうセキュリティ系のライターとして思い残すことは何ひとつないような気がしてきた。これはゴールだ。終了だ。他に望むことが思いつかないから引退したい。このあとラスベガスから戻ったら、すぐにでも田舎に引っ越して、コーヒーショップで細々と働きながら、セキュリティのセの字も考えずに、ぼんやりと老後のことだけを心配したい。

というわけで、いつもお世話になっている媒体の発行人のT様に、「すみません。なんかゴールしちゃいました」とお伝えしたら、「それはよかったですね。でも、ブルースシュナイアーにインタビューをするまで続けてもいいんじゃないですか」とにこやかに返された。それは事実上、転職できないという意味だ。そう言っていただけるのは、たとえお世辞でも嬉しいけれど。

うん。いや、ブルースシュナイアーは、ものすごい人だとは思ってるけど。あれだけ人気があったら、アクションフィギュアが作られるのも無理はないのだろうなと思うけど。正直なところ、「自分がどれぐらい憧れてるか」と言われたら、まあ、あれだ。うん。ごめんなさい、それほどでも。