Pork Festival 2015

先週末COSTCOに行ったら、3.5キロの巨大な豚ロースの塊が16ドルほどで販売されていた。というわけなので、今週は延々と豚肉を調理している。手抜きの叉焼を2本、紅茶豚を2本、ハムを2本、そして塩豚を2本仕込んだあと、残りはスライスしてソテー用にした。

残念なのは、カナダのロース肉は驚くほど脂分が少ないという点だ。「豚ロース肉の外側についてる脂身」というのは、この世で最も素晴らしい食材の一つだと思うのだけれど、それが大胆にカットされている。なんてもったいないことをするのだろう。さらに、赤身部分の脂の入り方も少ない。ヒレ肉みたいだ。それでも旨いからオッケーということにする。

紅茶豚は初めて作った。すっかり調理を終えてから、あることに気づいて愕然とした。

紅茶豚の場合、普通の茹で豚とは違って、「豚肉を煮たときのお湯」をスープに使いまわせない。それならば私は、この2リットルのお湯をどうしたらいいのだ。ここには確実に、豚の肉汁と脂が滲み出ている。なるべく外側に漏れ出さないように調理したとはいえ、確実に出ている。つまり、それはスープにしなければならない液体だ。飲むべきものだ。しかし、そこには紅茶も煮出されている。一口すすってみたものの、この液体を利用できる料理を何ひとつ思いつかない。一体どうしたらいいんだ。風呂にでも入れるのか。それは何の意味があるのだ。そもそも我が家には風呂がない。

結局、断腸の思いで2リットルの煮汁を捨てた。悔しかった。死にたくなった。こんなものは、もう二度と作らない。なにが紅茶風味だ。こんなものを作れる人間とは何も分かり合える気がしない。まあ、これはこれで旨かったんだけど。